芝生には入らないで下さい
昨年の春、事情があって博多へ訪れたついでに、太宰府天満宮まで足を延ばしました。季節は早春、桜の花までは、まだ早かったのですが、梅の花や桃の花が見事に咲き誇っていました。
今年は新型コロナの影響で花見どころではなかったのですが、当時は日本人でも梅や桃が好きな方が多く訪れ、それを更に上回る団体が中国旅行客だったのです。筆者は飛び交っている会話から聞き分け、中国大陸、台湾、香港、韓国とわかる旅行団とすれ違い、更にはタイやマレーシアからの留学生らしき若者、欧米のファミリー連れの旅行客もいました。
特に中華圏の人にとって、梅と桃が従来の花見の対象であり、梅の美しい花は確かに思わず溜息をさせられるほどの魅力があります。しかし、それほど美しい梅の花に囲まれても、心情的にとても不愉快な思いをしました、そして、今でも思い出すと不愉快な気持ちが押し寄せて来ます。
中国本土の人達が、一人一人囲ってある植樹園を跨って、ポーズを取りながら写真を撮っていました。良心的な人が「そこ囲ってるから入っちゃだめじゃないの?」と言うと、お友達の方が「そんなの大丈夫だよ、何も書いてないし、写真撮るだけだからすぐだし」、そうなると水は低い方へ流れるもので、回りの仲間も「私も」、「じゃ、私も」、そしてあちらこちらで目を覆いたくなるような光景が・・・・・・
芝生を平気で踏んでどんどん人が奥へ行く、あっちがこの木なら、こっちは向こうの木、幹に足絡めてポーズ、上の枝に腕をかけてポーズ、花に顔を寄せてピース作ってポーズ、子供を抱き上げてポーズ、子供がまた躾けた事がないから花を握ったり・・・・・・本当に色んな意味でやばいですよ。
こちらが個人情報を気にして絵にしてみましたが、逆に絵は証拠にならないと言う中国人の反発が来そうなので、既にネット上で転がっている写真を借りて来ましたよ。
何故中国でも、特に大陸の人がそんな事をするのか、以前の記事で「思い出とゴミは持ち帰ろう」の中に触れた事がありましたので、疑問に思う方はぜひ見て下さい。市場経済を踏み切ったあと、回りの先進国に引っ張られて経済大国になりつつある中国ですが、文化教養は訳20年間遅れちゃっています。
本格的に中国旅行者を受け入れるようになって来た日本、その日本で国際観光に関わるあらゆる業者は、彼らの政治文化生活を理解した上、対策を講じた方がいいと思います。
業者にも地方政府にもわかって欲しい事ですが、不必要な我慢は誰かに犠牲を強要していると言う事を気づいて欲しいです。注意書きをしっかり大きく書きましょう。「芝生」の場合は、
请勿进入草坪
ただ「入らないで下さい」だけでは足りません。共産党は国民を抑制する為にあきれる様な無茶な政策を作って来た中、国民は家族と生活を守る為に、「上に政策があれば下に対策あり」とすりぬけて来ました。そのすりぬけの技は何十年と身に染みているので、ちょっとやそっとでは効果がありません。そこがいわゆる「厚かましい」部分です。良い言葉で言うなら、すこぶる逞しいのです、日本で生まれて成長して来た人には想像すらできないほどです。
なので、はっきりと「芝生への立入禁止」とした方がいいです。
禁止踏入草坪
或いは自然の命を育む事を少しでも感じさせる言い回しで、「芝生を育成中、踏みつぶさないで下さい」をビックリマークで目立たせて、
草坪正在养育中,请勿践踏!
日本は公園で遊べる芝生があるので、海外の人には芝生なら全部はいっていいものだと誤解され易いです。しかし御苑など景観の美しさを作る為、鑑賞用の芝生もあります。基本的に低くても囲ってある芝生なら入るべきではないのです。入って欲しくない芝生なら、はっきり表示をしましょう。景観がどうのこうのよりも、注意書きを景観の一部としてデザインすればいいのです。